掛川青春絵巻「青春パイルドライバー」

TRPG

 以下シナリオ本文とセッションで使用可能な素材を貼付します。写真は全て筆者が現地にて撮影した物で、立ち絵は生成AIを利用した物になっており権利関係はクリアになっています。
 写真においては、セッション等で御自由にお使いください。

エモクロアTRPG『青春パイルドライバー』

システム:エモクロアTRPG

プレイ人数:2PL固定

プレイ時間:3時間
舞台:現代日本、掛川市

PL開示情報:イントロダクション~戸塚葵の情報まで

イントロダクション

 都会とは言えない、田舎からは早々に脱却している。そんな地方都市である静岡県掛川市で、君たちは高校生としてスクールライフを謳歌している。

 物心ついた頃から一緒に野山を走り回っていた友人。隣に居て当たり前だと思っていた、元気だけが取り柄だと思っていたそいつが突然学校を休んだ。

 

 冷やかしがてらお見舞いに行ったその夜、君たちは掛川の歴史に隠された恋物語を紐解く世界に足を踏み入れる。

共鳴者作成要綱

 君たちは掛川市駅付近、掛川の中央に住む掛川西高等学校の2年生だ。調査系技能と情報系技能(専門知識:歴史)を取得する事を推奨する。

 君たちには同じクラスの幼馴染であるNPCがいる。彼女は陸上部に在籍していて幼い日は一緒に虫取りに山へ行ったり、3人でプロレスごっこをして過ごした記憶が多かったような男勝りの活発な女の子だ。

NPC情報

戸塚 葵

 女性、17歳。7月1日の夏生まれの元気っ子(一人称は僕である)、共鳴者達の幼馴染。身長は151cmで微妙に低い事と陸上向けの体形である事が最近の悩み。

 自宅は旧家で古くからこの土地に根付いて暮らしている家系である。 

DL向け情報:あらすじ

 物語の冒頭で幼馴染である戸塚葵は心臓の疾患を発症しています。その病状の進行は早く放置しておくと数日で死を迎えるでしょう。

 戸塚家で古くから伝わる人形が葵の部屋には飾ってありますが、この人形は沢山の謂れと想いが詰まった結果『葛布人形(付喪神)』と化しています。

 葵の変化を感じ取った葛布人形(曽祖母達の想いの宿り付喪神と化した怪異)は彼女の病状を止める為に。葵の意識を人形の身体に移して現実の彼女の身体を停止させました。

 いきなり人形の身体に入った葵は人間の身体に戻るべく行動を始めますが、それは葛布人形が導く、願い事を叶える力を持つ事任神社の神へと繋がる道でした。

シナリオ本編

 以下シナリオ本編での表記
下線:DL向け情報 PC:プレイヤーキャラクター PL:プレイヤー
<>:技能表記 □DL描写


1.放課後の連絡事項

□貴方達は仲の良い3人組だ。今日も思い思いに登校してきたが、教室内に葵が居ない事に気付く。いつも自分達より早く学校に着いて居て、友人達とケラケラ笑ってるのが当たり前の風景だったのに、それが無い事にちょっとした不安に駆られるだろう。

 席につきチャイムが鳴り担任が入ってくるが、ぽっかり空いた席に貴方達は嫌な予感がする。

担任:「よーし全員いるな。戸塚は体調が悪いので本日はお休みさせて貰うって親御さんから連絡あったから今日は休みだ。誰か学校が終わったら、プリントでも持って行きがてら見舞いにでも行ってやってくれ」

 コホンとわざとらしい咳をひとつついた担任の目線は迷う事なく君たちへ注がれていた。

 PLから提案があれば、ここでお見舞いの品を買って行く事も可能である

 その際は「中町商店街」に行くと欲しい物は揃うだろう。<知識><事情通><ニュース>で戸塚葵の好物が伊藤菓子舗の「本かすてら」である事が解ります。

こちらのカステラは甘さが控えめで粒が大きく口の中でホロホロと崩れる食感も素晴しいお菓子です。

2.友人の様子

□勝手知ったる幼馴染の家。母親とも顔見知りである君たちは客間へと通される。旧家である戸塚家は、古い日本住宅であり部屋数だけは住人よりもかなり多いせいか、通された部屋は他の住人からも距離がありとても静かです。そんな中、母親の声が響いてくる。

 

「あんたー 友達が見舞いにきてるよー、見られちゃ困る物を隠し終わったら通すからねー」

 葵の母親はカラカラと笑いながら、お盆に載せた茶菓子と冷えた緑茶を持ってPC達の元にやってきます。それを振る舞いながら、いつも仲良くしてくれてありがとうと世間話をするでしょう。

 

 PC達が病状について尋ねた場合は以下の情報を得ます

・朝起こしにいくと、胸を抑えて苦しそうにしているので病院に連れていこうとしたら激しく拒まれた。大会が近いので病院へ行くのは終わってからにしたいと。しばらく待てば痛みは治まるから大事にしたくないと言われた。

・本人の意思を汲んで様子を見ることにしたけれど、心配なので今日は学校を休ませる事にした。

□お茶を飲み干した辺りで2Fから葵の声がかかり、彼女の部屋へと通されます。

 女性らしさを感じさせない地味な部屋に拍子抜けした貴方達ですが、意外に元気そうな姿を見る事ができてホッとする事でしょう。

<洞察><観察眼>の成功

・不自然なまでに、可愛いものが無い事に違和感を抱きます。待っている間に見えない場所へ隠したのでしょう。

「ごめんね、僕のせいで心配かけちゃったかな?、んでも僕が丈夫な事は君たちが一番知っているでしょうに。お母さんったら大げさなんだから」

 ジャージ姿の彼女の顔色は悪くはなく、具合が悪いとはとても思えないでしょう(<医学>を持ってるPCが脈を測ると『不整脈』がある事が解りますが、それ意外の技能では情報はでません。彼女にそれを伝えても「どーしても大会に出たい!終われば必ず行くから」とダダをこねられます。)

 PC達が持ってきたプリントやお土産等の話題を振りつつ、普段の会話を演出しましょうう。『カステラ』を持ってきた際は大げさに喜んでください。会話の内容でからかわれたり、心配されすぎたりする事があれば、照れ隠しの行動として以下のイベントを発生させてください。

「はっはっはっはー、僕の部屋ならベッドがあるから合法的にこの技がかけられるのだよー」

 そう言うと葵はPCのどちらかを対象に<武術:プロレス:Lv2(判定値7)>をかけます。技はパイルドライバーで成功した際は、かけられたPCのHP-1、失敗した際は自身のHP-1になります(運動系技能で回避可能です)。どちらのPCを選ぶかはランダムでもDL判断でもかまいません。

 安全に配慮してベッドの上で技をかけたとはいえ、部屋を揺らすような大きな振動が部屋であったせいで、母親から小言が飛んできます。と同時に振動が伝わって部屋に置いてある机や家具の上のものが落ちてきます。その中でも古い箪笥の上に置いてあるガラスのケースが床に落ちて、ケースがバラバラになり中の人形が飛び出しています。

 それは一体の和人形で、落下の衝撃で飛び散ったガラスの破片が当たったのか人形の衣服の一部が破けてしまっています。

 

<専門知識:歴史><知識>

・高砂人形と呼ばれる夫婦人形に似ている感じがします。小袖に打ちかけを羽織った人形のみなので、夫人形が欠けている事に気付きます。

・人形に使われている材料は葛布と呼ばれる掛川の特産品で水に強く、丈夫なことが特徴で長期間の保存に耐える事が可能です。

 この人形について葵に尋ねると以下の情報が入手できます。

・曽祖母から貰った人形である事(曽祖母の過去については知りません、)

・できれば、子へと受け継いで欲しい事

・曽祖母の名前は『戸塚千代』 です。

 大きな音がしたので、母親が部屋に入って来ますが、その惨状を見て3人を叱ります。怪我する可能性があるので、ガラスの破片を丁寧に掃除すると人形が直せないかと回収していきます。


 一連のイベントを起こした後はPC達に体質を促すように、

「なんだか疲れちゃった」と言うと葵はベッドに横になるので、帰宅する事になるでしょう。

3.悪戯な夢見

□帰宅すると両親から葵の具合を聞かれるかも知れません。受け答えしながら、夜までの過ごし方をPCに尋ねましょう。(DL情報:もし電話やLINE、Discord等で連絡をとっても葵からは返信はありません。PC達を別れた彼女は昏睡してしまい、目を覚まさない状態になっています)

 その後、PCが悪夢を見るイベントが発生します。ここでは個別描写をする事を推奨します。プレレス技をかけた方に悪夢イベントが発生しますが、DLの判断で二人が別々の夢を見てもかまいません。

 悪夢を見た方のPCの元に葵の人形が現れるので何が起こっているのか解らない状況を作ると楽しめます。(二人とも夢を見た際は技をかけられた側に現れます)


■真夜中の夢 

1『戦火の約束』

 

 畑で芋を掘り起こしている女性の姿が見える。何かの本で読んだモンペと呼ばれる衣装を身に着けた彼女は、尋ねて来る人に苦々しい顔で拒否を告げていた。

 伝え聞く話によると、東京の町は火の海になったという。この田舎でも焼夷弾が落ちたという話を聞かされた。時々連絡に来る兵隊さんは『日本は負けない、連合は日本の強さを怖がってる』と言うけれど代償の大きさを知っているのは私ら田舎の人間だ。

 食べ物が盗まれる。分けてくれと土下座でお願いされる。もとは仕立てのとても良いだろう洋服なのに、薄汚れくたびれた恰好の町の人間が都会からひっきりなしにやってくる。

 疎開してきた人らの声は決して明るい未来を予期できるものではなく、反対に暗い話しか聞こえてこない。

 警報が鳴り、急いで避難壕に向かう。見上げた空に爆音を轟かせた米国の爆撃機が東へ向かい飛んでいくのが見えた。ここには何も落ちないでと願いながら、戦地に向かったあの人の無事を祈る自分が、とても厚かましい神頼みをしていると誰かに責められたような、そんな気がした。

2『戦乱の約束』

 甲冑を着た兵士の群れが見える。その集団の真ん中に、小袖に打ち掛けを羽織った女性たちが槍を突き付けられている。多数の妙齢の女性をかばうように一人の少女が両手を広げて豪華な兜を被った人間と対峙している。

 背後では軍馬の足音が絶え間なく響き、数刻置きに響く怒声にも負けず少女は正対している人間にずっと拒絶を示し続けていた。

 やがて数名の甲冑を着た男性が集団の前に引きずりだされて、数度の受け答えを女性たちに見せつけると。

 

 大きく振り被られた刀は吸い込まれるように、兵士の首元へ届くと・・・

鈍い音を響かせて振りぬかれる。

 飛び散る赤い血を浴びた侍女が叫び声を上げる。そんな戦場でも凛とした仕草で立ち続ける女性の姿だけがそこに在った。
 

□ゾッとするような怖い夢を見たPC達は目を覚まします。背中に張り付くシャツの感触が多量の寝汗をかいてることを体感させます。夢を見た方のPCは【4】に移行します。

4.深夜の訪問者


 悪夢を見たプレイヤーは<直感>や<霊感>を振ってください。

 成功した場合は窓の方から気配を感じます。
 失敗した場合は窓を割って葛布人形が入って来ます。

□PCの部屋の窓から何かを叩く音が聞こえてきます。そこには葛布人形が居て窓を叩いています。もし怖がってPCが近づかない場合も窓の一部を割って部屋に乱入してきます。

☆葛布人形(葵) :葛布人形についての詳細は用語集参照

・中に戸塚葵の意識が入っているので、葵のRP風に受け答えしてください。

 

以下の内容を盛り込んでPCと会話してください。

「ちょっとー!早く気づきなさいよ」

「なんか頭がガンガンするから横になってたんだけど、起きたらもうこの状態よ」

「スマホ触ろうにも指紋認証しないから、どうしようもなくて直接来たよ」

「こんな恰好になっちゃったの家族にも言えないし、なにより絶対ばっちゃまの人形壊したのが原因なんだから君たちも共犯者だよね」

DLはPLとしばらく受け答えたした後に、

「こんなの一人じゃなんともならないんだから、共犯者のもう一人も呼び出して!」

 と言い出すので、もう1名のPCを呼び出す感じになります。手段等を尋ねながらシーンを演出してください。次に行く場所のヒントとして以下の台詞を葵は話します。

「ばっちゃんの遺品は全部蔵に保管してると思う。蔵の鍵は家族全員持ってるし僕も自分の部屋に置いてあるよ」

□相談の結果、3人は葵の自宅の探索に向かう事になります。

5.蔵の秘密

 辿り着いた戸塚家は静まり返っています。住んでる家族(父、母、弟、祖母)が起きないように、何らかの技能を使用して葵の部屋へと忍び込んでください。

・葵の部屋は2Fの角部屋になるので、外から壁を登ったり、裏口が空いているのでそこから忍び込んだり出来ますが、忍び込む為の方法と技能をPCに提案して貰いましょう。

・技能判定でファンブルをした場合は一度目は家族の誰かが起きかけますが、そのまま寝てしまいます。2回ファンブルした場合は電気が点いて、忍び込めなくなる為に何らかの技能で蔵の鍵を開ける事になります。

葵の部屋(2回目の来訪)

 一度目との相違点は人形は文句を言っても、止める物理的能力がない為に探索可能箇所が増えています

『鍵が入っている机の引き出し』『押入れ』『衣装ダンス』

 

・『鍵が入っている机の引き出し』

 古いかんぬき型の鍵が入っています。知識関連の技能に成功すれば江戸時代の頃のものと解ります。
・『押し入れ』:ここを調べようとすると葵から「見ちゃだめ!」と反対されます。

 ボーイッシュな雰囲気で売ってる葵ではあるが、実は可愛い物が大好きで押し入れの中にはPC達が遊びに来た時に隠したぬいぐるみの数々が入っている。(甲冑をきたユルキャラの侍君や、うぐいすがモチーフの鳥の人形、そして添い寝ができる程の大きいサイズの『茶のみやきんじろう』が押し込まれている。
・『衣装ダンス』を調べる事も可能ですが、異性が箪笥を明けた際は葵との信用が崩れて、この後の探索でしばらく機嫌が悪いRPをしてください。(控えめなカップの下着を見つける事が可能です)

歴史のある蔵

 まっすぐこちらに来て、鍵開けにトライする事も可能です。何らかの相応しい技能(細工等)で開けるか、筋力で開ける場合は成功数2以上が必要になります。

 蔵の中は暗く、よく調べないと何があるかの把握に時間がかかります。PCから提案があった場合には蔵全体に<直感>や<霊感>等の技能を使用する事で※の情報を追加で出します。

探索可能箇所:『江戸時代の骨董品』『古い機織り機』『たけくらべの柱の傷』

技能成功時:『戸塚家の家系図』

『江戸時代の骨董品』
・戸塚家が江戸時代より続く古い家系である事が解る品々を見つけます。石臼や千歯こき、みみずがのたくった字でかかれた書物がまとめて置いてあります。

『古い機織り機』
・掛川市で古くより製造されている『葛布』を織るのに使用されていたであろう織り機です。まだ古い糸が残っているので材質を調べる事が可能です。経糸は木綿緯糸は葛糸を使用しています。また確認すると人形の素材がこの材料から出来る事が解ります。


『たけくらべの柱の傷』

・蔵を支えている柱の一本に刃物で段々に一文字の傷をつけた跡を見つける事ができます。

”ちよ、ただし、と傷のとなりに名前が彫り込んであり、これがたけくらべの跡だという事に気付きます。

【たけくらべ:成長の記録として家の柱に傷をつけて身長を残す風習の一つ】

※ここに記されている『ただし』という人物は登場人物に情報のある『朝比奈忠司』の事です。
 彼は掛川市に在住していた記録があり、PC達のクラス違いの同級生の朝比奈祐二の曾祖父でもあります。PCが求めるなら何かのスキルを利用して情報を出してください。
 また気が付かない場合であっても、葵の口から「この人誰だろう?曾祖父とも名前が違う」という台詞で違和感を演出してください。

※『戸塚家の家系図』

・戸塚家の家系図がかなり古くから綴られています。祖先は掛川の豪族で、侍階級にあったようです。掛川城が立つ前よりこの地に根差しており、嘘か真か将軍家との繋がりがある人物として『西郷の局』の名前が載っています。

 ある程度探索が進んだところで以下の台詞が葵からでます。

「そういやばっちゃんが亡くなった時に大事にしていた物をこの蔵にまとめてあるんだった」

 葵のこの言葉を受けて、『曽祖母の手記』を探す事ができます。


『曽祖母の手記』

・そこには自分の許嫁である朝比奈忠司に赤紙が届き、戦地に赴く事になったところから記録が始まっています。彼女には幼い頃から近くに住む同い年の男の子を許嫁として育てられた大切な幼馴染が居たのです。

 周囲もやがて2人は夫婦になると思われていたのですが、その激動の時代に翻弄され2人は引き裂かれていったのです。

 手記には出征していく彼を三熊野神社にて見送った事が書かれており、その時の強い悲しみが文章から伝わってきます。

 

 その次の頁は明らかに涙で滲んだ跡がありました。そこには戦地より忠司の死亡が確認されたとの報告があった事が書かれています。

 やがて他所から婿を取り、子供が生まれ落ち着いた日々を過ごした曽祖母の記録が綴られますが、最後に一文だけ書かれて手記が途切れています。


「あの人が帰ってきた」

 次に行く場所について、もし共鳴者が思いつかないようでしたら、以下の言葉を葵は口にします。

「ばっちゃんが見送った三熊野神社に行けば、何か掴めるのかな?」

■時間も大分遅くなっています。三熊野神社は遠すぎる為、行って戻ると朝になるので貫徹で学校に通う事になります(この場合はHP-1)、また掛川城に行く事も可能です。その際はまだ近いので深夜には帰宅できるでしょう。

6.日常+-1 

※このパートは学校に行く事で発生します。PCの行動次第で前後したり、発生しなかったりするので、柔軟に演出してください。

 深夜のうちに、どちらのPCの家に人形を連れて帰るか決めておきましょう。人形がいるPCの朝は顔の上でドンドンとジャンプされて起きることになります。
 

「昨日も休んだんだよ!今日も行けなかったら勉強すっごい遅れちゃうじゃん!」

■葵は自分を連れていけと言ってごねてきます。彼女は説得等のスキルに成功しても、ついていくことを諦めないのでダイスロールは可能ですが、彼女の心を変える事はできないと告げてください。

 学校内では基本的には彼女は授業を聞きたがるので、机の上に出たがります。時々身をよじったり、相槌を打ったりするせいで周囲の注意を惹く可能性があります。<幸運>に失敗した場合は机の上から落ちたりするので、周囲の興味をひき、交渉系技能や<隠匿>等で誤魔化してください、スキルを失敗した場合は先生に注意されて怒られます。

 放課後はすぐに調査に出かけたいと思うので、昼休みや休憩時間を利用して一度だけ情報収集の判定をする事が可能です。その他PCが探したい情報があれば情報欄を参照して必要と思われる情報を提供しましょう。

・学校の図書館で歴史関係の調査。

 徳川家康の側室にお愛の方と呼ばれる人物が居て、その生家が掛川だった事が解ります。

・朝比奈という性を持つ学生を調べる。

 曾祖父に朝比奈忠司という人物が居る事が解ります。彼は同じ学年で違うクラスに居る朝比奈祐二君になります。彼とコンタクトを取ることで情報が得られます。
 人形の事を尋ねると、後日携帯に連絡をくれると約束してくれます。(夜のシーンのどこかで携帯を鳴らして、「曾祖父は古い人形を大事にしていたが、死別した時に掛川市内の古い神社に納品した」と伝えてください。(納品先は最後のイベントになる為に、直接的な答えは避けましょう)

掛川市の古い神社の情報

・高天神社、川近神社、浅間神社、熊野三神社、龍尾神社

 また彼の自宅を訪ねる事も可能です。その際は自宅には保管しておらず、家族に聞く事で掛川周辺のどこかの神社に納品した事だけが解ります。

 これ以降の移動については、自転車での移動を想定していますが、PC達が求めるなら他の手段を選んでも良いでしょう。公共交通機関の場合は小回りが効かないので多めの所要時間を加えてください。

7.惜別の社(三熊野神社)

 放課後になり社を訪ねるPC達。まだ日が高いうちに神社に辿り着いた共鳴者達は不思議な感覚に囚われます。周囲には誰も居ないこの神社、葵は何かを感じたのか共鳴者の手から降りて、テクテクと本社に向かい歩き出します。

共鳴判定 強度7:共鳴感情 ***(感情はDL側で管理して表示しません。一致は伝えてください。「関係」恋、「理想」勝利)

 共鳴判定に成功した共鳴者の目には沢山の人に見送られる軍服の一団が見えます。失敗した人には振り返った葵の人形が手を差し出します。

「握って」と呼ばれ、人形の手を握るともう一度共鳴判定が発生します。

共鳴判定 強度9:共鳴感情 ***(感情はDL側で管理して表示しません。一致は伝えてください。「関係」恋、「理想」勝利、「傷」後悔)

 見送る集団の中に今の葵と同じ姿をした人形を持った女性が居ます。顔立ちはどこか葵と似た雰囲気を持ち、PC達はすぐに彼女の曾祖母だという事に気付くでしょう。

 彼女の視点は一点を見つめており、その先にいる男性も彼女の視線を一身に受けて見つめ返しています。その彼こそが朝比奈忠司なのでしょう。彼の手は右胸のポケットに置かれており、きっとそこには夫人形が入っているのでしょう。万歳万歳と手を挙げて見送る人の中で彼女は溢れる涙を止める事ができませんでした。

 葵はテクテクと本社に歩いていき、前に立つとふらりと倒れます。すぐに立ち上がりますが纏う雰囲気が変わっています。

<鑑定><調査><観察眼>:掛川葛布は丈夫ではありますが、経年劣化による材質の変化は抑えられません。しかし目の前の人形は今より少し新しい見た目をしてるように思うでしょう。

人形の変化は中に入っている魂が『怪異:葛布人形(千代)』に代わったことによるものです。

「葵なら今眠らせたよ」

「あまり長い時間出ていられないんだ。あの子が身体に戻ると病気が進行しちまうからね」

「ガラスケースが落ちたのは偶然じゃないよ。あの子の病気の進行を止める為なのさ」

 現在の葛布人形の中の人は葵の曽祖母にあたる、戸塚千代です。今回の事件は付喪神と化した葛布人形が能動的に起こした出来事です。

 突然倒れた葵には心臓疾患が起きています。彼女の心臓疾患は若い事もあり進行が早く、放置しておくと数日も保たないで死を迎えることになります。

 その進行を遅らせる為に彼女の魂を人形に封じ込めたのが事件の顛末です。千代は葛布人形の片割れを見つけて、夫婦人形を揃える事で怪異としての力が増すだろうと予想しており、その力を利用して葵の心臓を治そうと考えています。その協力を得るために共鳴者達がいる状態で事件を起こしたのでした。

 PC達が人形について尋ねると、葛布人形の謂れを語ってくれます。

 曽祖母の時代には、この人形を持った2人は戦争で別れてもやがて引き合うように再度出会えるという伝承が残っているという事です。その伝承は戦国時代よりずっと伝わっており、過去の戸塚家は葛布の生産をしていたので人形も作成されていた過去がありました。

 現在PC達に語り掛けているこの人形も戸塚家に昔から受け継がれていた人形で、言い伝えを信じて出征する朝比奈忠司に夫人形を預けたのです。残念ながら死亡したという誤報により他の人と結婚して子を成しましたが、その後に彼が帰ってきたことにより、悲恋に終わりましたが生きて帰ったという事実に深く感謝してる気持ちを共鳴者に伝えます。

 葵については病気の件を話すと2人に負担をかけまいと振舞う可能性があるので、人形の呪いで、夫人形を見つけないと身体に戻れないとでも説明するようにお願いされます。

※ここで葛布人形(千代)から、この人形の謂れに纏わる『掛川恋絵巻』について語り、戸塚家に関連する場所として、西郷斎宮がある事を聞かされます。

8.深夜の歴史探索

※このパートの探索箇所は情報が出る順番で前後するのでDL側で調整してください。物語的には事任神社がラストに来るのであれば、三熊野神社より先にこちらのパートを訪れても大丈夫です。

西郷斎宮

 掛川の中心部から山手に少し自転車を走らせると、田んぼが目立つ集落の一角にそれはひっそりと佇んでいます。 地域の公民館の一角にこじんまりと鎮座している社を見つけることが出来ます。

 傍らには西郷の局と呼ばれるに至った経歴が書かれた看板がかかっており、ここが徳川家康から頂いた邸宅の跡地だという事が解ります。

 自転車を止めて社に近づくと、葵はまたPCの身体から飛び降りて社に近づいていきます。一歩一歩、歩みを進める度に少しずつ発光していき、直近まで近づくと光が強すぎて直視できません。

共鳴判定 強度7:共鳴感情 ***(感情はDL側で管理して表示しません。一致は伝えてください。(「関係」甘え、「関係」奉仕)

 しばらく経つと発光は納まり、確認すると人形は新品同然なまでに綺麗な姿で立っている事でしょう。そこには今まで出会った事の無い雰囲気を纏った人形が佇んでいた。

<観察眼><鑑定><洞察>:この人形が作られた当時くらいの新しさである事が解ります。

「妾(わらわ)を呼んだのはお前達かえ?」

「妾は西郷の局と呼ばれておった者の残滓じゃ、人形に込めた願いを形作った人と後世に残る歴史の作り手との間に揺蕩う意思の成れの果てじゃ」

「この身の片割れはどこにおるのじゃ?」

 西郷斎宮で顕現した怪異は西郷の方と呼ばれる歴史上の人物の人格を宿しています。情報が必要な際は登場人物の欄や年表を参考に会話に織り交ぜて下さい。

 PC達がこの人形の伝承について尋ねた場合は以下の物語を語ってくれます。

『それは幼い恋心から始まったのじゃ。父である忠治に連れられて掛川城に行ったんじゃ。当時の掛川は今川支配下にあってのう。城主は朝比奈泰朝だったのかのう。

 幼い妾は父が話し込んでるのを大人しく待っていられなくて、こっそり冒険に出たんじゃ。

 初めて来た城は見る物全てが楽しくて、気付くとどこから歩いて来たのか解らなくなってたんじゃ。数えで5つの童(わらしべ)だったしのう、迷ったって気付いた時はそれはもう怖くて怖くて。気付いたら大泣きしながら父の名を呼んでおったのじゃ。

 

 その時じゃったよ、あの人が声をかけてくれたのは。

 

「そこの童、泣くでない。一緒に父上を探してあげよう」

 声がした方を見上げると、人の良さそうな優しい顔をした青年が立っていたんじゃよ。しゃがみこむと目線を合わせてくれて、泣き止むまで頭を撫でてくれてのう。

 父の名前を口にすると知り合いじゃったようでうんうんと頷いて、その人は妾を持ち上げると肩に乗せてくれて、城の案内をしながら父上の所まで連れて行ってくれたんじゃ。

 妾はうっすらとしか思い出に残っては居なかったんじゃが。後から父上に聞いた話ではその若者の手を握って離さずに「この人のところへ嫁ぎたい」って言ってたそうじゃ。

 幼い頃の事じゃったが「大人になったら迎えに来よう」と約束してくれるまでくっついて甘えていたみたいでのう。根負けしたのか元信様は将来迎えに来るとげんまんしてくれたのじゃよ。

 

 ここで幾つか西郷の局に尋ねる事ができます。

・片割れになる人形の場所を感じる事はできませんが、元信様の気配は感じる事ができます。元信様に会う事ができれば、半身である夫人形の場所も解るのではないか?

・掛川城の方から元信様の気配を感じる。

・葛布人形は戦火で別れた家康と西郷の局が再び出会えた逸話から作られた人形である。

・この人形は江戸時代に作られて、今に伝わる400年近くの歴史を内包している。

 

 必要な情報が出れば、発光が消えて西郷の局は眠りにつきます。PC達に移動を促してください。 

掛川城

掛川城の御掘り近く

 自転車を止めて、掛川城へ続く坂道を歩きだすとPC達は強い圧力を感じて足が竦んで立ち止まります。

共鳴判定:強度 6 「理想」勝利 「欲望」所有 「理想」崇拝

・共鳴判定に成功した共鳴者は過去の記憶を垣間見る

 PC達の目の前に6歳くらいの女の子とそれに声をかける青年の姿が見えます。青年はしゃがみこむと大きく身振り手振りをして涙を止めようと頑張っています。

※西郷斎宮より先にここに来た場合は困った2人の情景がやがて薄れて消えていきます。
<霊感>が成功した場合はまだ縁が足りなくて、この先の光景が見えない事に気付きます。

 有用な技能が無い場合は「あの子ってばっちゃんの小さい頃の写真に少し似てた、あの子に縁のある場所、戸塚家の祖先に関係する所へ行けばヒントがあるかも!」と葵が口にします。

 変顔が壺にはまったのか、きゃっきゃと声をあげて笑う女の子を肩車すると、城の本丸の方へと歩き出します。その際振り向いた青年はPC達の方へと視線を投げかけた気がした。

掛川城本丸

 2人の幻影を追いかけて、階段を登り木の門をくぐると周囲に霧が満ちている事が解ります。


<観察><洞察>:霧の出所は本丸横にある井戸から発生してる事が解る。

<知識><情報通>:この井戸は霧噴き井戸と呼ばれていて、今川支配下にある時期に、徳川方から攻められた時に霧が噴き出して攻撃から守ったという伝説が残っている。


 霧を纏った本丸からは完全に人の気配が消えていて、PC達は現実世界から切り離された世界に迷い込んだ事に気が付きます。

 入口に続く短い階段を登ると内部はさらに急な勾配がついた階段がPC達を迎える。手すりに掴まらないと上手く登れない階段を1段、2段、3段と登って天守閣に辿り着くとそこには鎧を着こんだ若武者が君たちを待っていた。

「於愛の気配がする」

「懐かしいような、ずっと傍に居たような感覚だ」

 PC達と問答できますが、葵の人形を差し出すとイベントが発生します。

・西郷の局について:「約束は覚えていた。この地を得た時には既に於愛には連れ合いも子もおったからそっと見守っていた」

・葛布人形について:自分の半身になるその片割れはここには無い。この町で一番古い神を祀る神社に納品されて大事に保管されている。

<事情通><知識><歴史>:この町で一番古い神社と言えば、己等麻知比売命を祀る事任八幡宮という事が解ります。

 葵の人形を若武者に会わせると以下のイベントが発生します

人形はまた発光しはじめて、どんどん若返り西郷の局が降りた状態になっていきます。

葛布人形(西郷の局)と家康公との会話

「於愛よ久しいな」

「元信様、幾久しくお会いしとうございました」

「我らの話が400年先の未来にも伝わっているとは、この掛川の民の心意気に感謝だ」

「今の子らには逸話までは伝わってないそうですよ、それでも若人の心は時代が移っても同じようですね」

「傷つき倒れても人々はまた立ち上がる。我がお前の奉仕を糧に天下を取ったようにな」
「この身に宿った者の中には届かない想いを秘めた者もいます。けれど次代に希望は受け継がれるようですね」

「何か褒美を取らせないといけないのう」

 ここでPCは何かを若武者に求める事ができます。

・葵の病気を治して欲しい

 人の想いから生まれた自分達の力ではそこまでの奇跡を起こす事はできない。於愛の身に宿る怪異の全ての力を使っても厳しいので、古い神の力を借りる必要があるだろう。

・古い神はどこにいる?

 この街で最も古い神がいる場所、それは事任八幡宮である。

※『絆:戦国の約束』を入手します。(DLサイドのフラグとして管理してください)

9.『千代の形代』

事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)

 掛川の中心から北東の山間にその神社はあります。辿り着くまで上り坂が続き、自転車を走らせる共鳴者達は汗をかかずには居られないでしょう。

 辿り着いた鳥居前は照明もなく、ただ静寂だけがその場に広がっている。鳥居をくぐり、本社に近づくと共鳴判定が発生します。

共鳴判定:強度9 共鳴感情 「関係」庇護、尊敬 ”己等乃麻知比売命”

 夫人形があるのは本社横の建物になります。短い階段を登り、御神木である大杉の隣にある建物に近づくと葵が反応を返します。

「心の中に居る人らが話しかけてくる」

「ここに居るって、私の身体?というか、この人形の相方が」

 戸締りがキチンとしてある建物なので、中に入る際は何らかの技能が必要になります。<鍵開け><調査>等の成功数1で中に侵入する程度の難易度にして可能です。

 

 月明り程度の室内は薄暗く、窓が高く小さい為に何かで照らさないと探しものが出来ないでしょう。(暗がりの中を捜索する方法をPCからの提案で貰いましょう)

 

<直感><知覚><観察眼>の成功

 倉庫を調べると、納品された品々の中に光が漏れ出ている漆塗りの箱を見つけるでしょう。その中に夫人形を見つけます。 

 夫人形を見つけ出すと人形が葵から愛に変化します。夫人形から当時の気持ちと生きて帰る活力になった事への感謝を伝えられます。

葛布人形(千代)と朝比奈忠司の会話

「国へ勝利をもたらす為に戦いにでたはずなんだ、けれど君への恋心だけが毎日を過ごす糧だった」

「もう一度会いたい。その気持ちだけで泥水を啜るような毎日を過ごしても俺は戻ったんだ」

「待っていられなかった私を責めてください。でももう一度会えた事は私の生涯の宝物として心に仕舞いました」

「生きて帰れたのは君への想いが有ったからだ。時代に流されて叶わぬ恋としても、未来へ繋ぐ生涯をおくれたんだ。それはお互いに誇ろう。」

※『絆:戦火の悲恋』を入手します。(DLサイドのフラグとして管理してください)

 PC達が古い神との邂逅を願ったり、葵の病気を治して欲しいと提案した場合は以下のイベントが発生します。

「この地に住まう子らよ、愛すべき我が子らよ。汝の願いを告げよ」

 建物横にある御神木の辺りに柔らかい光が現れます。見ているだけで安心できるその光からPC達の心に語り掛けてきます。

・願い事を告げる

「その言霊、力を持つなら試練を潜りぬけよ。奥社にて会わんや」

 柔らかい光はふよふよと移動を始めると、北へ移動していき国道を越えて隣の山へ消えていった。

己等乃麻知比売命の試練

 

 ことのまちひめみこは言霊を届ける為に共鳴者達に試練を与えます。それは奥宮と呼ばれるもう一つの社への参拝です。本社から道路を渡る高架橋を越えてひっそりと見える鳥居をくぐると奥宮へと続く階段があります。

 

 合計で272段あるその階段を登ることこそ試練になります。この階段は普通には登れず、肉体や魂を燃やしつつ階段を上がっていくことになります。奥社に辿り着けば言霊を授けて貰えます。(具体的にはHPを減らしたり、共鳴することで段数を減らしていきます)

 敵として段数272ある階段を出しましょう。

己等乃麻知比売命の奥社への階段の登り方

1.奥宮への階段は全部で302段相当になります。登りたての緩やかな部分は段と段の間隔が広く、間に調整で石の段が設置しています。それを含めると302段になるのですが、できれば気が付いて欲しくないので。試練を開始する前に下記の階段の描写をしてください。

「鳥居をくぐると立て看板が立っている”奥宮まで272段” 緩やかな上り坂がしばらく続き木製の枕木が段の役割を果たしている。その先は突然急こう配になっていき枕木の間隔が近くなっている。」貴方達は枕木を越えて石の段を一段踏み出した。(この段階で共鳴者が<直感><観察目>を振って、階段を調べたいと提案した場合は、この間の石は1段と数えないんではないかと言うことに気付きます。その際はその緩やかな部分が30段程続いてる事を告げて全部で302段ある事を告げてください。)

2.階段には古き神の力が働いている為、HPを消費するか共鳴をする事で登っていきます。

 このパートではPC達が今回の騒動を通じて経た感情に問いかけていきます。なのでメインとなるのは葛布人形との共鳴になるでしょう。物語中に語られた内容や、その時に感じた感情。友人である葵の感情を予想する事を促しましょう。

3.HPを使用する際は1消費する度に”1D10段” 残りの段数を減少させます。この処理は2人がダイスを振ってHPを消費し、それぞれのダイスの数値を足した段数を登ります。

 このパートに置いてはHPが1になっても失神はしません。ミラクルが出た場合でも共鳴表を振る必要はありません。しかしHPが0、もしくは共鳴値が10に達した場合はエンド2へ移行します。 

4.共鳴を利用して登る際は共鳴したい共鳴感情を指定して振って貰います(ルールブック記載の全ての共鳴感情から1つです、感情の指定は1種類1回のみです。)共鳴に成功すれば成功数の数だけ残り段数を減少させます。

※この共鳴の際、人形がもつ感情は強い効果を発揮します。葛布人形の共鳴感情と同じ感情を使用する際はボーナスが付きます。以下の情報をPCに公開してください。

葛布人形(葵)

・共鳴感情:表 ??? 裏??? ルーツ ??? →3D10段登れます。

葛布人形(千代)

・共鳴感情:???  ???  ??? →2D10段登れます。

葛布人形(西郷の局)

・共鳴感情:???  ??? →2D10段登れます。

葛布人形(千代):「関係」恋、「理想」勝利、「傷」後悔 →2D10段を登れます。

葛布人形(西郷の局):「理想」希望、「関係」奉仕 →2D10段を登れます。

葛布人形(葵):共鳴感情 表「関係」友情 裏「理想」憧憬 ルーツ 「欲望」好奇心

→3D10段を登れます。

4.272段だと思い込んでいて、その段数に到達した際は302段である事を説明してください。辿り着いた際は『朝焼けの街』のパートへ進みます。

5.共鳴者のHPや共鳴値が限界近くに到達した際は倒れる前に次のイベントを発生させて下さい。

※HPを使う際は10D10等一気に振る事で時間を短縮できます。又、共鳴の成功数が5以上出た際は段階的に葛布人形の感情についてヒントを出しても良いでしょう。

・感情のヒントはシナリオ本編の会話の中にあります。シナリオ中の人形との共鳴???もヒントになります。

・葵の共鳴感情に関するヒントは情報欄を参照してください。

・PCの共鳴値が5以上、7以上に達した場合は共鳴による効果で会話のシーンがフラッシュバックする演出を思い出す事でヒントになります。

 限界に近づいたPC達の肩から葵が降りてきて、これ以上進ませないぞと立ちはだかります。

「何を願うかは解らないけれど、これ以上の犠牲を払ってまでやる事なの?」

「もう帰ろうよ。君たちの願いは僕が頑張って手伝うからさー」

 このシーンでは葵に真実を告げるかどうかはPC達に委ねられます。どちらにせよ傷つき疲れ果てたPC達を見てられない葵は奥宮への参拝を止めるように提案するでしょう。

「君たちの気持ちは嬉しいけれど、それが運命なら僕は受け入れるよ。君たちの未来をかけてまでやって欲しい事じゃないよ!」 

「何を願うか解らないけれど、それが自分を犠牲にしてまでする事なの?自分の事を一番大事にしていて。僕は君たちに笑っていて欲しいんだ」

 DLはPCのHPや共鳴値を見つつ適宜、以下の二つのイベントで回復させてください。

《絆:戦火の悲恋》の開放

 PC達の前に二つの人影が現れます。軍服とモンペ姿の2人は固く手を握り合っており、見た瞬間に忠司と千代だという事に気付きます。

 彼らはPC達に再び巡り合わせて貰った感謝を告げ、言葉を紡いでいきます。

「あれから話せずに居たが、こうして再会させてくれてありがとう。私たちが紡いだ未来がお前達に繋がってる事が解って想い残す事はもうないよ」

「自分達の間違った未来と同じ未来はお前達には送って欲しくない。怪異として目覚めたのはきっとこの時の為なんだ」

「葵、いい友達と出会えたね。二人の事は大事にするんだよ」

 二つの人影は徐々にその濃さが薄れていき、PC達の周囲を取り囲む。君たちが背中に感じた気配に振り返ると、薄れて消えていく影の中に幼い二人が仲良くたけくらべをしている姿が見えたような気がした。

『絆:戦国の約束』の効果でPC達の共鳴値が2下がります。

《絆:戦国の約束》の開放、もしくはPCが助力を求めた際は必ず発動します。 
 

 PC達の背後で強い気配がします。振り返ると打ち掛けを着た女性と鎧を着た若武者の影が立っています。松平元信と西郷の局の二人です。彼らはしっかりPC達と人形を見据えて言葉をかけてきます。

「我武者羅とは我らの時代に出来た言葉だ。若人よ振り返らずに我武者羅に願いを突き通せ」

「元信様は大袈裟に話ておられるけれど、ねえ貴方は気付いているのよね。無茶を通せるのはそれを優しく受け止めてくれる人がいるからって事よ」

「東照大権現と呼ばれたこの身に宿した力、全て褒美としてくれてやろうぞ」

 二つの影はPC達のほうに手を振ると段々とその姿は薄れていき、やがて完全に消えてしまいます。

『絆:戦国の約束』の効果でPC達の共鳴値が2下がります。また一度使用した共鳴感情を再使用する事が可能になります。

HPが0になる、もしくは共鳴値が10に達した場合は奥宮に辿り着けずにエンド②へ移動してください。

階段を登り切った場合は『10、朝焼けの街』へ

10.朝焼けの街

 長い急な階段を登り切ったPC達はとても小さい社に辿り着きます。ひっそりと光を放つ社は神々しい気配を感じて貴方達は自然と背筋が伸びていきます。

「うわぁ凄い綺麗な人、バインバインだし」

 PC達には見えないけれど葵には見えるようで、彼女は社の上の方に向かって手を振っています。葵と神様は何か会話を始めたようで、葵の口からは軽口が飛び出していく。

「えっ、 マジですか?そんなに綺麗なのにお一人様ですか、神様も大変ですね。」

「うんうん、あっちゃーだからかー、みんなここまで頑張ってくれたのって。多分私が逆の立場でもやっちゃうわ」(ここで葵は自分の病気の事を教えられます)

 PC達の頭の中に直接言葉が紡がれます。ずっと見守ってくれている母のような、鈴を転がすような可愛い声のような、音として認識できないが心に染み入るその声にとてつもない安心感を感じるでしょう。

「願い事を口に出しながら、玉石を清めるのじゃ」

 社の周囲には白い石が敷き詰められていて、説明用の立て看板が立っています。曰く、その石を白い布で拭き清めると願いが叶う言い伝えがあると書かれています。

1つ目は神様のため。

2つ目は周りの人を思いながら。

3つ目は自分のため。

 ここでPC達にどんな願いを込めて石を清めるか聞いてRPして貰いましょう。一緒に葵もその人形の身体を使って一生懸命にお清めに参加します。

1つ目は神様の為、おとのまちひめみこたんにカッコイイ彼氏ができますように。

2つ目は自分の為に頑張ってくれた友達がプロレス技をかけても怪我しないように。

3つ目は自分の病気が治りますように。

 PC達の言葉を一通り聞き届けた己等乃麻知比売命はその力を解放するでしょう。社にあった淡い光はその強さを増していく。その光に導かれるように葵は歩みを進めて、やがて光の玉の中に消えていく。人形を宿した光の玉はさらに輝きと大きさを増して、空に打ちあがる。

「その言霊受け取った。未来を目指す若人に幸あれ」

 暗い夜を昼のように照らす大きな光の玉になったそれは、山を越えて掛川の市街地の方へ飛んでいく。後を追って山を下るPC達、薄暗い山道の階段を急いで降りて国道へ飛び出す。

 国道1号線、日本を縦断する最も長い国道。掛川から島田に抜けるそのルートの頂上付近にあるこの場所からは、葵の家は西の方角にある。少しでも高いところから見ようと国道を跨ぐ高架橋に登りその方角を見つめた。

 今PC達が見ている景色は西の空に太陽のように見える光の玉。それは西から昇った太陽に照らされた、朝焼けの掛川の街だった。 

12.エピローグは*****に

 

①エピローグはハッピーエンドで

 

 葵の家に向かうPC達、朝も6時を過ぎれば周囲は明るくなり道路を走る車も増えている。懸命に自転車を走らせて辿り着いた葵の家の玄関でPC達を待っていたのか、葵が玄関先まで出てきていた。家の電気は点いていないので家族はまだ夢の中なのだろう。

 

「おかえり。ありがとう。やっと僕、身体に戻れたよ!」

「こんな話皆にしても誰も信用してくれないから、僕たちだけの秘密の冒険だね」

「チクチクする心臓の痛みが完全に消えたのは、やっぱ神様の奇跡なのかな」

しばらく他愛の無い会話をして。

「あのね、僕怒られたんだよ。君たちの事を無意識に信頼しきってたからさ、あんな危険なプロレス技をかけて遊んでた。あの技パイルドライバーってね、かけられる方がちゃんとかける方を信頼してないと成立しないって怒られちゃった。

 

 今回の件、本当にありがとう。まだ実感が湧かないけどさ、僕は君たちに守られた事は一生忘れないよ。

 そして沢山の想いを人形の中に居た時に勉強したような気がするんだ。ねぇ僕たちもさ、ばっちゃんや於愛の方とか、あんな素敵な恋がいつかできるのかな?」

 そう照れながら呟いた彼女を見て、PC達の中で何か変化があったのかを尋ねてRPを貰い物語を〆ましょう。

もしPC達が階段を登るパートでカタストロフを出していた場合は、そのPCが自分の為に願った願いを可能な限り叶える事が可能です。面白おかしく表現しましょう。

例:戸塚葵へ恋心を抱いている→そのPCが葵が気になる人になります。

②エピローグはほろ苦い青春の1頁に

 全ての手を尽くしても奥宮へ辿り着けず倒れたPC達は、気付くと本宮の入口付近で目を覚まします。周囲には小さな足跡が沢山ついていて、人形の姿は見つかりません。

 動くのには問題ないくらいには回復してるPC達は葵の自宅へ向かうことでしょう。

 朝の6時ともなれば普段はもっと明るいはずだが雲が多く、いつ雨が降ってもいい天気だった。葵の家は既に電気がついており、チャイムを鳴らすと家の人が部屋まで案内してくれる。

 部屋には既に目を覚ました葵がベッドに横になって居ますが、顔色はあまり良くは感じないでしょう。

 

「沢山迷惑かけちゃったね。頑張ってくれた気持ちが伝わって来て、本当に嬉しかった。」

「奥宮には辿り着かなかったけれど、僕たちの想いが届いたのかな?痛みはかなり減ったような気がするよ」

 後日、病院での診察の結果、心臓に疾患があり激しい運動を禁じられたと葵から話を聞かされる。

 今日も教室で授業を受けている葵の方を見ると、羨ましそうに体育の授業をやっているグラウンドを眺める彼女の横顔が、君の胸を刺すトゲのように深く突き刺さった。

DL情報:願いの一部を届ける事が出来た結果、葵は死を回避する事には成功しました。けれど心臓には爆弾を抱えた状態で不安なまま暮らしていくことでしょう。

また階段の試練において共鳴判定でカタストロフを出していた場合は、葵の心臓移植が可能である事を告げてください、その後の物語はPC達が綴るものです。

情報欄

※こちらの情報をセッション中に多数盛り込むことで、掛川に対する造詣が深まるが半面、セッション時間が伸びる事が予想されるのでDLの最慮で利用してください。

登場人物

NPC

戸塚 葵 (PC達の友人で本作のKPC):7月1日産まれ、17才


身長 153cmのスレンダーな体形、ちっぱい、運動部の為日焼け肌。

一人称が『僕』。祖先は戸塚忠治で西郷局の子孫。実は心臓に疾患が発生しており、シナリオ開始時点で大きく病状が悪化している。現在は人形が病気の進行を抑えるために本人を人形の身体に封じ込めた。

 幼い頃より好奇心旺盛で何にでも興味を持つタイプで幼馴染達を振り回していた。プロレスごっこをきっかけに身体を動かす事が好きになり、陸上部に在籍する事になる。

 ばっちゃま(曽祖母)に大変懐いていて、後悔の無い恋をしなさい、恋は素敵なものだと言う事を聞いていることから恋に対して憧憬を抱いている。

 人形の中にいる際も落ち着きなく、一目が無い場合は外を見たいと誰かの肩に掴まって移動したり、話を聞こうとちょこまかと動く事でPCを翻弄させる。

戸塚 千代 (葵の曽祖母で10年前に亡くなっている)

 第二次大戦時に幼馴染の婚約者が出征、訃報が伝えられた事により強制的に婿を迎え入れる事になる。5年後に幼馴染は無事日本へ帰還する事になり、悲恋のまま2人は離れる事になる。出征時にお互いが持ち合っていた葛布人形は揃う事はなく、お互いの家で保管される結果を産む。

西郷局 (徳川家康の側室、2代将軍の生母)

 武家の娘に産まれ、父の出仕にともなわれて城に行く機会が多かった。6歳の時、掛川城内で父とはぐれて泣いていた所を家康に助けられる。助けられたお礼に家康に嫁ぐことを約束させる。後に家康は今川の支配を逃れ独立した後に、掛川城をとり、迎えに来る。

徳川家康 (徳川家初代将軍)

 江戸時代を作った歴史上の人物。今川家から独立し掛川城を攻略を果たした史実がある。その後駿府にて西郷の局をみそめ側室に迎えて二代将軍秀忠が産まれた。

 本シナリオにおいて、家康公本人でなく、西郷の局が出会った頃の松平元信に寄った怪異として登場する。

 

朝比奈 忠司 (愛の曽祖母の過去の許嫁、15年前に亡くなっている) 

 葵の曽祖母である戸塚千代の幼馴染であり、婚約者。第二次大戦により引き裂かれ悲恋に終わり帰国後に別の女性と所帯をもち、曾孫が千代の曾孫と同年代になっている。

 実は掛川城の城主を勤めた朝比奈家の末裔である。徳川との戦に置いては仇敵であった為か、千代との恋が悲恋に終わったという因縁を持つ。

朝比奈 祐二 (忠司の曾孫、掛川西高校二年。PC達とはクラスが違う)

 PC達とは同学年ではあるが別のクラスである。恋に憧れる純朴な青年で、PC(女生徒)が自分を訪ねてきた際は、淡い期待を抱き手櫛で髪を整えながら話しかけたり、連絡先の交換時にはドキドキしながら受け答えする。

己等乃麻知比売命(ことのまちひめのみこと)

 古事記、日本書紀に記述はなくホツマツタエに載っている古の日本の神。事任神社の主祭神であり、言霊を司ることから願い事を全て叶えてくれるという言い伝えがある。本シナリオにおいてはバインバインのナイスバディを持つ美女らしい(葵談)

用語集

葛布人形

 水に強く、丈夫で長持ちする掛川に古くから伝わる織布。葛を使った糸を木綿等の布に織り込む事で耐久性をあげた布である。本シナリオにおいては葛布を使い、掛川恋絵巻を原作とした戦火で離れた恋人同士が再会できるような祈りを込めた夫婦人形として登場します。

掛川恋絵巻

 本シナリオに置いて創作された物語。徳川家康が今川預かりの人質時代に、掛川城に来訪し、そこで幼き日の西郷の局に会った可能性から、何らかの約束をそこで結んだのではと想像しました。やがて駿府城で再会し、昔の約束を果たした事を掛川の人々が後世に遺した物語としてシナリオ中に採用しております。

※情報として出す場合の掛川恋絵巻は以下を参照

『時は戦国、後に覇者となる徳川家康は、その名を松平元信と名乗っており、当時は今川預かりの立場であった。とはいえ今川の政務を預かる身として、頻度は少ないが領内を回る事があったともいう。

 政務の一環として訪れた遠江国が掛川城。朝比奈泰朝に会わんと城下を歩いていると、道端で泣き続ける幼子に出会う。聞けば戸塚家の姫君と解り、父の政務についてきたが、一人で城内を散策中に道に迷ったのだという。

 宥めすかし、肩車をして親との再会を果たしたのだが、何故かその姫君に大層気に入られ将来の約束をさせられてしまう。

 やがて時がたち、今川支配から逃れた元信は家康と改名しており、遠江を取るべく掛川城を包囲していた。今川方は強い籠城を決め込んでいる中、土地の名士である戸塚は裏切りを疑われて孤立していた。遠い約束を果たした為密かに家康は守備兵を回したが、その報告で戸塚の姫君は連れ合いもおり、子を成している事を知り姿を見せぬままに、その戦は和睦を経て遠江の国を手中にする事となった。

 

 しかし運命の糸は再び2人を巡り合わせる。駿府城にて再会した2人は、遠い日の約束を叶えたかのように夫婦となり、幼子だった姫君は徳川二代将軍の生母になったのである』

舞台解説

掛川城

 室町時代に今川氏が遠江進出の為に家臣の朝比奈氏に命じて築城された城である。本シナリオにおいては幼き日の家康と西郷の局が運命の出会いを果たした場所として登場する。

 小高い山に築城されていて、平成6年に天守が再建されている美しい城。

 家康がこの城を攻城する際に付近に20以上の付け城が建設され、激しい戦いが長期間に渡り繰り返されたという。この抵抗は長く続き、講和によって開城されたという過去を持つ。

 この奮戦からか掛川城の本丸横にある『霧噴き井戸』には、徳川からの攻撃から今川家をを守る為に霧が噴き出したという逸話が産まれたと思われる。

事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)

 事任神社は大和政権が広がった影響からか、大国主命を分社して迎えた豪華な社が立てられている他、多数の神格が分社されて祀られている。近年になり己等乃麻知比売命の存在がクローズアップされて離れた場所にある本宮への参拝が一般的になっている。

 峠の頂上付近という立地(土地と土地を隔てる境界の意味を持つ。山は女神としての神格を有する)と、傍に流れる清流(身体を清める役割。川は男神としての人格を有する)。この事から民俗学的には全ての条件が神社として格式が高い事を示している。

西郷斎宮

 掛川市内から少し外れた場所にある、西郷の局の邸宅があった場所。現在は公民館になっており、敷地内にある小さな社が邸宅のあった事実を示すのみなっている。

 

三熊野神社

 諏訪神社 、天神社、奥野神社の三社を内包しており、安産、農耕、災難避けの加護を与えてくれる。

 第二大戦時に戦地に赴く兵士を見送る儀礼を行った記録がある。

 掛川の中心から山を越えた海側にあり、PC達が訪ねる為には1時間以上自転車を走らせる必要があるだろう。

年表(赤字部分が本シナリオの創作)

1513年 朝比奈氏、掛川城に入城

1542年 家康生まれる

1547年 織田家の人質に

1549年 人質交換で今川家へ

1552年 西郷局生まれる

1558年 掛川城にてあおいと家康が出会う

1563年 今川家から独立する

1568年 今川氏真 掛川城に逃げ込む

1569年 家康、掛川城をとる

1576年 西郷局、家康の側室に入る

《怪異》

付喪神:古くから受け継がれる物に魂が宿った存在。本シナリオに置いては掛川葛布を使用した、葛布人形と呼ばれる人形がそれに中る。

 江戸の中期、この地域において語られた徳川将軍と西郷の局の恋物語に基づいて、戦いに引き裂かれても、お互いに引き合う約束を夫婦人形の形で伝え残した物である。

 この怪異は中に宿る人間によって共鳴感情が変化します。記載に従って共鳴判定を行ってください。

 基本的にはルールブック記載の共鳴表【伝承】を利用して下さい。ただし、最後の階段を登るシーンでは怪異との協力になるのでミラクル以上での使用は無くてもよい。

葛布人形(葵)

・共鳴感情:表 「関係」友情 裏「理想」憧憬 ルーツ 「欲望」好奇心

葛布人形(千代)

・共鳴感情:「関係」恋、「理想」勝利、「後悔」傷 

葛布人形(西郷の局)

・共鳴感情:「関係」甘え、「関係」奉仕

 汎用共鳴表:伝承タイプ

1恐慌《怪異》の異常な気配に身体がすくみ、動けなくなる。1D6×10分(あるいは1D10ラウンド)の間、判定値に【💪 身体】を使用する技能での判定は成功数-1される。※〈*自我〉あるいは〈心理〉の成功で回復する。
2幻覚見えないはずのものが見え、聞こえないはずの音が聞こえる。しかし、それは本当に存在しない声だろうか?PLが望むなら、〈*知覚〉〈観察眼〉〈聞き耳〉〈★霊感〉などで判定することができる。成功すると、《怪異》に関する情報を一つ得ることができる。具体的にどのような情報を渡すのかはDLが決定する。ただしこの情報を受け取った場合、あなたの〈∞共鳴〉レベルは即座に1上昇する。
3共振エンパシーその《怪異》との親和性が高まり、影響を受けやすくなる。対象の《怪異》が持つ「共鳴感情」を一つ、追加で獲得する。(シナリオ中継続)
4パラノイア極度に肥大化した不安や妄想に囚われ、現実の認知が難しくなる。以降、判定値に【👂 五感】を使用する技能での判定は成功数-1される。※〈*自我〉あるいは〈心理〉の成功で回復する。
5霊感獲得《怪異》の存在に近づいたことで、本来見えないものが見えたり、気づけなかったものに気づけるようになった。シナリオ中、〈★霊感〉レベル+1。
6失神《怪異》の強力なオーラにあてられて意識を失う。即座に〈*生存〉か〈*自我〉で判定。失敗すると1D10分間、共鳴者は【失神】状態になる。

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